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ヒトの育成の前に組織を考る

最終更新日:2024/12/17

 最近は新NISAなどの影響もあり、投資が一般化されブームです。会社も個人でも財産の拡大は将来を見据えて重要ですから当然です。一方で人材を人財と書く財産の方は、これと言ったルールも無いのでそれぞれ各社各様の様子。一生懸命な会社と余り考えていない会社があります。最もやりたいけど中々上手く出来ない、やる時間が無いと言う会社も中小企業には多いのではないかと思います。

 働く人の人財育成については、毎年入社する新人が育った時代背景により現役世代から見ると理解不能に陥る事があり、それを上手くコントロールして育成しようとしたら投資信託どころの話ではありません。しかし、根本はやはり変わらないのもきっと事実です。

 ヒトを育成するにはその前に組織の問題が大きく絡むと思います。経営学者のバーナードは組織の成立条件として次の3つを挙げました。

 組織が成立、均衡するためには組織メンバーにとって誘因(対価)が貢献以上である、つまり貢献に対する給与などがそれ以上である時に成立すると言いました。(勿論この事だけではありませんが・・・)言われてみれば当たり前の事です。働いた割に給与が安いと辞めて行く事に繋がります。一方で会社にとっても貢献が大きければそれだけ利益が増える可能性があり、誘因を充実させることが出来、まさに好循環です。この好循環を生み出そうと、例えば大企業では様々な人事評価制度などを導入していますが、それはそれとして、それぞれの企業の形態にあった形の仕組みを作る事が重要と思います。

 ヒトの育成を考えた時、仕事の内容を教える事ばかりに注力しがちですが、組織の在り方や評価の方法など土台となる部分の整備もそれ以上に重要です。「ヒトの育成の前に組織を考える!」事も必要と思います。

                                        (大髙 勝)