私が初めて社会に出た頃、今から40年も前の話で恐縮ですが、入社した会社が社員教育に非常に熱心だった事もあり、研修で色々勉強させてもらい、その後も随分役に立った事を忘れません。その中の1つに「仕事の教え方」と言うテーマが有り、これは新人にどの様に仕事を教えるかと言う基本的な事を学ぶためのものですが、その基本が最初に①内容が理解出来るように聞かせる、次に②手本を見せる、そして③同じようにやってもらう、最後に④上手く出来たら褒める。この4つのステップでした。
それから数年たったある時にこれと同じことを言った先人が居る事を知りました。それが皆さんもご存じの方が多いと思いますが、旧日本軍の連合艦隊司令長官の山本五十六が言ったとされるものです。
「やって見せ、言って聞かせてさせて見て、褒めてやらねば人は動かじ」
全く同じ事を言っているので驚いたものです。それから更に数年先にこの言葉には、その続きが有る事を知り、驚きから感心に変わった事を覚えております。その全文が、
この言葉には「ヒトを育てることの大切さ」が簡潔に表現されており、今の管理職の皆さんにも充分に役立つ名言であると思います。
現在では管理職になりたがらない社員の方も多いと聞きます。確かに特に中間管理職の皆さんは苦しい事の方が多いかも知れません。しかし私は、仕事を教えながら、その結果として部下が成長して行く姿を見る事は管理職の最大の「楽しみ」になるのではないかと思っています。今、管理職の皆さんはどんな楽しみがあるでしょうか。
尚、もう1つ付け加えると「仕事の教え方」研修では、「相手が覚えないのは自分の教え方が悪い」と言う事が基本になっている事も忘れてはなりません。
(大髙 勝)