投稿者: Ohtaka
前回はサケの話に絡めて「ヒトも環境変化に対する順応性が必要であり、それが成長に繋がるのでははないか」と言う主旨を書かせて頂きました。もう1つ、環境変化に対応する言葉として適応性と言う言葉も有ります。どちらも似た様な言葉なのでもう一度整理して見ました。
今まで私は余り深く考えず、その時々で適当に両方の言葉を使っていた様な気がしますが、その意味合いは上表の様に少し違う様です。私が特に「環境変化=順応性」と言う言葉を意識したのは、かつて「ゆでガエル」の話を知った時からでは無いかと思います。例え話としては非常に面白いと思い、業務の中でも色々なヒトに話しをした記憶があります。
会社の場合、環境変化は内部からも外部からも起り、特に外部環境による業績への影響はしっかり見ていないと気が付いた時にはもう手遅れと言う事に繋がります。私は会社員時代に業績が急激に悪化した時と、また緩やかに徐々に悪化して行った時と両方を体験していますが、その経験で言えば確かに急激に悪化した場合は、会社全体が今すぐ何とかしなければと言う強い雰囲気になり、皆必死に動いていた様な気がしますが、緩やかに悪化した時は、他に理由を探したり、社内の誰かや、または特定の部署の責任にしたり、そのうち回復するだろうとのんびりとした空気が流れていた様な気がします。これは真に環境変化に順応している「ゆでガエル」の話そのものです。
順応性と言う言葉はどちらかと言うと肯定的に使われる場合が多い様です。例えば個人の場合は「このヒトは順応性の高いヒトだ!」の様に。しかし個人の場合も余り順応性が高過ぎると逆に周囲の環境に合わせる事ばかりに集中し、結果、自分の本来持っている能力や個性を発揮出来ない事に繋がりそうです。
「会社とヒト...
ヒトも環境変化によって成長して行く⁈
先日、北海道に住む友人から季節の便りが届きました。北海道ではこれからの季節の風物詩とも言える風景ですが、川を遡上するサケの映像です。暑い日の中でも季節の移り変わりを感じます。一方で今はサケも不漁との事で、風物詩では無く生業として捉えると厳しい状況の様です。
そのサケですが一般的には川で誕生した後、大海原へ旅立ち、数年後成長して生まれた川に戻り、そして子孫を残すために産卵し、その一生を終える事が知られていますが、しかし、同じサケでも随分色々なタイプがある様です。
改めて見ると特徴的な事の1つにその体の大きさの違いが有ります。川に居るグループは小さく、海へ出るグループはそれよりもかなり大きいです。これは海には餌が豊富に有る事と、一方で敵も多いからとも言われています。川に居る方は省エネタイプなのでしょうか? いずれにしてもそれぞれの環境に見事に順応した進化と成長の結果とも言えます。
これを見るとヒトが社会へ旅立つ姿に似ているなあと思います。地元に残って頑張る人も居れば、離れて頑張るヒトも居ます。例えば地元に残るヒトは、仕事以外でも地域との密接な関わり等で色々な環境変化が多くなるでしょうし、また地元を離れるヒトは、それ自体が大きな環境変化になります。また転職なども同様で、どちらにしても大事な事は、それらの環境変化に上手く順応する事であり、その結果として「ヒトも環境変化によって成長して行く⁈」事になるのではないでしょうか。
そしてもっと言えば、この様な環境変化を恐れず、逆に自らの成長のために「積極的に環境変化を求めて行く姿勢も時には必要では無いか?」...
社員を評価するヒトへ
先日ニュースを見ていましたら、今年の新入社員は自身の評価について「成果主義よりも年功序列」が良いそうです。今時はそうなの?と驚きました。ここ何年も成果主義への移行や年功序列の廃止などが声高に叫ばれていましたからちょっと拍子抜けです。例えば不景気になると安定志向になり、公務員の応募が増えると言われていましたが、しかし今は賃上げ水準なども過去最高で景気もそれなりに良いはずですから、それでも安定志向⁈ ちょっと良く分かりません。
私も、現役時代、成果主義への移行を意識して評価方法をどうするか色々な手法が出されていますので参考にしながら自社に合った評価の仕組みが無いものかと随分思案した記憶がありますが、それと合わせて一番悩んだのは、評価の仕組みそのものよりもむしろ評価する側のヒト、つまり特に中間管理職へのヒトを評価するための教育です。それは平等性の確保と共に、評価スキルが足りないヒトに評価されるのはちょっと部下としては辛いですよね。この先いずれは AI が評価の一端を担うとしても、まだまだ最終的には(ヒト対ヒト)は外せないと思います。特に中小企業では、この評価する側のスキルが足りない様に感じ、下手をすれば半分好き嫌いで評価しているのでは無いかと思う事さえあります。せめて評価する側のヒトは、最低限、評価するための勉強をして欲しいものです。特にヒューマンエラーだけは避けたいですよね。
年功序列が良いと言う若い人の中には、年齢と共に自動的に給与が上がって行く方が楽で良いと言う思考になっているヒトも居るかも知れませんが、そんな楽な会社はどこにもありません。皆、最大限の実力を発揮しなければ会社自体が危うくなります。またこれからは...
私が尊敬するヒト ”本田宗一郎”氏
日本には過去に何人もの名経営者と呼ばれるヒト達が居ました。松下幸之助氏を始め、稲盛和夫氏、盛田昭夫氏・・等々。皆一代で世界企業へと成長させた方々です。そんな多くの名経営者の中にあって、私の中でひときは輝きを放っているのが本田宗一郎氏です。
当たり前ですが、本や記事の中でしかお会いした事は有りませんが、その数々のエピソードやお考えを見聞きするにつけ、経営者としての枠をはるかに超えた、一人のヒトとして尊敬できる方だと思っております。本田宗一郎氏についてはご自身の著書や色々な記事などで紹介されていますから、私がここでどうこう言う事でもありませんが、その沢山ある魅力の中から中小企業経営に照らし合わせた形で言わせて頂くとこんな感じを抱いております。
私は実際に中小企業やオーナー企業に勤務した経験が有り、また仕事上でも多くのそれらの企業の皆様に接するチャンスを頂きましたが、残念ながらここまでのお考えを持った経営者の皆様にお会いした事が有りません。(勿論、本田宗一郎氏が特別過ぎるのでしょうけど・・・・)
前段で触れた、松下幸之助氏にしても稲盛和夫氏にしても、世の中で注目されるのは、どちらかと言えば「○○経営術」や「○○経営学」の様な経営上のテクニック的な話題が多い様に思います。しかし本田宗一郎氏の著書を読んでいると特に感じるのが、企業内においては社長から社員まで「ヒト対ヒト」として如何に有機的に繋がる事が大事かと言う事を思い知る事が出来ます。私はそう言う点に特に共鳴してしまいます。何故ならこの様な部分が、中小企業やオーナー企業には決定的に不足している点だからです。
もしこれから起業される若い方々や、オーナー企業の2代目社長の皆様などには特に参考になる部分が沢山有ると思いますので、是非一度、本田宗一郎氏の本を読む事をお勧め致します。弊社も「ヒト対ヒト」のサービスを重視していますが、これからも時々「私が尊敬するヒト...
社長には向いていない⁈ヒト②
私は5Sを経営の根幹を担える1つのツールであると思っており、前回、「整理」が出来ないヒトは「社長には向いていない⁈ヒト」ではないか?と言う事を書きました。
5Sと言うと「掃除をして綺麗にする事」と勘違いするヒトが多くいますが、私はもっと奥深いものだと思っています。それをここで書き始めると終わりが無くなるので、経営観点に絡めて簡単に書きたいと思います。
5Sの最初は「整理」で始まりますが、前回も書いた通り、「整理」とは下記の通りに定義されます。これは簡単に出来そうで、しかし実施するには結構な決意が必要です。この「整理」と言う言葉は経営観点から見ても多く使う場合が有りますが、例えばこの様に使いますよね。
私は現役時代、リストラや合理化と言う名のもとに管理職として「人員整理」をした事が何度も有りますが、一方で逆に「整理」をされた事もあります。どちらも気分が良いものではありません。しかし会社が置かれている状況によっては、「人員整理」が必要な会社も残念ながらあります。この「人員整理」を5Sに絡めて、例にすると以下の様な考えに私はなりま...
社長には向いていない ⁈ ヒト①
私なんかが偉そうに言える立場では無いのですが、色々な中小企業の社長の皆様と仕事をご一緒する中で、「時々ちょっと?」と感じる事があります。社長の仕事は日々判断や決裁の連続で、傍から見ていると、ほとんどの社長がテキパキと迷わず判断されて仕事が進んで行きます。「さすがだなあ‼」と感心します。しかしそんな社長なのに、時々妙に踏ん切りが悪い場面に出くわす事があります。
例えば大きな話では、新しく始めた事業が余り上手く行かず、この先どうするかを検討しなければならない時や、もっと身近な話で言えば、過去に購入して古くなり使えなくなった材料の処分をどうするか?・・・と言う時など。私なんかは、この先使う見込みが無いのであれば「さっさと捨ててしまえば良いのに」と勝手に思ってしまいますが、普段テキパキと決裁する姿とは別人です。その話の背景にあるものとして、やはりせっかく投資したのだからもったいない!何とかせめて元だけでも取れないものか?と考えてしまう様です。
この現象はご存じの方も多いと思いますが、「サンクコスト効果」とか「コンコルド誤謬」と呼ばれる...
予算を考えられるヒト
只今、選挙の真っ最中。今回は多くの政党が物価高対策のための減税か給付かを訴えています。そしてそこについて回るのが「財源をどうするか?」と言う問題。そんなに素晴らしい政策なら、財政を見直して何かを減らしてでも充当させれば良いと思いますが、国会議員の先生方には減らすと言う発想は余りない様です。国の財政がひっ迫していても・・・・。
国を会社経営目線で見るとその予算内容は深刻です。そもそも計画時点で赤字であり、その上で更に支出を増やそうとしているので普通に考えれば本末転倒、経営者失格となります。もしどうしても支出する必要が有るのであれば、支出の優先順位を付けてその分何かを減らすしかありません。しかしその前にもっと重要な事は、「減税や給付が本当に今必要なのか⁈」 と言う検討です。この辺が抜け落ちると単なる選挙目当てのバラマキと言われても仕方がないのではないかと思います。
会社の経営でも収入と支出のバランスにより優先順位をつけて執行するのは当たり前の話ですが、これらを円滑に進めるためには事前に計画をたてた予算が必要になります。しかし、実際にはま...